行政書士が行政書士向け講座をやると自分の事務所が傾くケースがある理由【コラム3】

■玄徳庵ブログ

こんにちは。あなたとあなたの会社の成長を妨げる棘を抜くコンサルタント玄徳庵のこうめいです。

さて、毎年この時期になると、新人行政書士向けにイベントをやってしまう方たちが出てきます。その志はとてもいいことで、新人行政書士にとってはありがたいことです。

でも、私はこの開業講座を現役で経験が浅い人がやることをあまりお勧めしてないんです。

それはね、そういう開業講座をやったことが原因で、自分の本業に大打撃を食らう人が珍しくないから。

じつは、私が行政書士向けに開業講座をやっていいと思う人は3タイプの人で、

  1. 行政書士を引退してでも新人行政書士を育てる覚悟がある(私はこれ)
  2. 自分の事務所ががっちり安泰していて何があっても揺らがない自信がある(ベテラン行政書士)
  3. 金さえ儲けられればいいのでセミナーの後の責任何て知ったことではない(ひよこ狩り)

これ以外の人は、行政書士向けの開業講座をやってしまうと事務所の運営が傾くケースもあれば、場合によっては、開業講座をやった翌年には事務所がなくなってるなんてケースもあります。

ちなみに、3番のひよこ狩りは「ふざけんな!!」と個人的には思っている(私はアンチひよこ狩り)ので、推奨は絶対しませんが、個人の事務所への打撃は案外少ないんですよね。

そんなに厳しいこと言わなくても……。

そう思うかもしれませんし、「私は無料でやっているので問題ありません」なんていう風に言う方もいるかもしれませんが、開業講座をやるというのは無料でも有料でも怖いおまけがあなたについてしまいます。

それが、「憧れ」

この憧れ、主催者側も開業講座をやって数カ月はとても気分がよく、みんなに感謝されるし、すごくいいことをやった気持ちになることができます。

でも、参加者さんの中で憧れという感情はあなたの実際の姿をドンドン大きくしていき、あなたが2しかない実力を、10どころか、12や13あるように勝手に思い描き始めてしまいます。

皆さんも経験ありませんか?

自分の好きなアイドルや、自分の好き俳優や女優などが「完璧だ」と思ってしまって、この人ならこういうことを言うはずとか、この人ならこういう行動をするはず。みたいに思いこむこと。

あれと同じような目線で開業講座をしたあなたは、今日から見られることになります。

実は、私も玄徳庵の前身の無理せず開業行政書士講座を開業4年目前後にスタートしたんですが、すごく「憧れ」を持っていただきました。

それはそれは、自分が凄い人だって勘違いしてしまうんじゃないかってくらい。

最初はそれでうれしかったんですよ。みんなが喜んでくれるからね。

でも、それが、1年2年と経つうちに、吐きそうになるくらいのプレッシャーになっていったんです。

セミナーで私は3しか実力がないよと言っているのに、私は15ぐらい実力があるんだって思い込んでしまう人が出てきて、たとえば私の批判をしている人に、「無理せずは凄いんだぞ!!」と代理戦争を始めてしまう。

待ってくれ。喧嘩はしちゃだめだととめると、「阿部さんがそんな人だとは思わなかった」なんて言って、今度は私に攻撃を仕掛けてくる(泣)

私が、その人の性格に合わせて良かれと思ってしたアドバイスを、何でかいろんな人に話してしまい、それが原因で知らない行政書士からクレームが来る。

私は特に、「行政書士の仕事にこだわらずに『複業化』しよう」と、10年以上前から言っていたので、行政書士を馬鹿にしているそうだね!という脅しのメールが定期的に届いてました(泣)

阿部さんが、業務で失敗するはずないよね。集客で失敗するはずないよね。質問してわからないことがあるわけないよね。みたいな変な思い込みが発生して、失敗したり分からないと「がっかりしました」と言って悪口を書かれる……。

私は特に、何人かの行政書士や他士業さんと組んでセミナーをやっていたので、その人たちを守る矢面にも立たざるを得ず、毎日ストレスで気持ち悪い。

実は責任感が強い行政書士が開業講座をやるとこういう未来がもしかすると待っているかもしれないんです。

ましてやこれだけの要望に応えないといけないと思うと、自分の本業の業務よりも、とにかく、勝手に作り上げられた憧れの像から離れてはいけないと、お金にならない努力をしないといけなくなるので負担がガクンと増えます。

それでも、期待に応えると憧れがさらに増え、次の期待がどんどん上乗せされて、いずれ限界が来ます。

そして、ぱたんと倒れたときに、残念ですが憧れを抱いてくれていた人たちは、頑張っていたあなたのことは見ずに、「無理せずはオワコンだね」という言葉だけで去っていきます。

これが実際私が経験したことですが、新人行政書士向けに何かをするサービスが毎年立ち上がるのに、長く残っているところが片手に数えるくらいしかないのはこういうストレスに潰されるから。

私は幸い自分の事務所が安定して、収益が確保できるようになってからやっていたのでギリギリ生き残れましたが、開業講座をやるにはまだ実力が浅かったなと当時を振り返ると思います。

さらに、開業年数の浅い先生が開業講座をやると、それまでは、その先生たちは「経験値の浅い先生」ということで、アドバイスをもらえる位置にいました。

このアドバイスをもらえる位置にいれるというのはとても大事な時間帯で、この時にいろんな人の力を借りたり、自分で勉強したりして、自分の事務所のことに100%時間や力を注げるありがたいタイミングなんです。

その一方、開業講座をやったということは、少なくとも、参加した新人さんたちからは「憧れ」を向けられるので「私、若手なんであなたのサポートするゆとりないんです」と言えなくなります。

もっというと、新人さんの面倒を見ることになる場合も出てくる。

あなたの経験値が浅いのに、そこに誰かの面倒を見ることになったりして負荷が増えたら、仕事は回らなくなります。

いや、開業講座をしたけどそこまで面倒見る気はなかったんです。皆さんそう言いますが、憧れが生じるとそんな正論も受け入れてもらえなくなります。

憧れというのは勝手に膨らんでいくので、あなたがそんなつもりはなくても他の行政書士の前で、「A先生がこんなことしてくれたんです」「A先生がこんなこと言ってたんです」という話をいろんなところでしてしまい、

それが原因で、「A先生は、法律を守れない怖い行政書士だ」「A先生はなんか勘違いをして傲慢になっている」なんて評価をされてしまうことがあります。

新人行政書士さん向けのサポートを始めた行政書士が、その新人さんに向けた言葉が原因で懲戒請求された事例もあります。

これ、出る杭は打たれるだからしょうがないよね。と、どんな嫌がらせが来ても跳ねのけるだけ強さがあればいいですが、たいていの人はこれでめげてしまいます。

自分の事務所が万全な状態になっているのであれば、誰に何を言われようと顧問先の信頼を落とさなければ事務所がつぶれることはないんですが、事務所の力が弱い段階ではそんなわけにもいかずに、周りにいいように食われて終わり。なんてケースも考えられます。

うげぇ!!そんなこと、開業講座開いてから言われたって……。

こうめいさんもっと早く教えてくれればよかったのに……。

そういう状態の方は、こんな苦しい未来を避けるために、一つだけ大きなアドバイスです。

あなたはすでに開業講座を開いた時点で憧れの人になってしまいました。そのままあこがれの人を演じると、あなたはいずれ潰れてしまいます。

そこで、ここから先は、「自分は凄いんだよ」という姿を見せようと気を貼りすぎない。

失望しました。残念です。なんて言われても動揺しない。

相手が勝手に抱いてしまったあこがれに自分が合わせていたら、仕事は増えますが心はやんでしまいますし、長くは続きません。

だから、今まで通り自分らしく振舞ったうえで「失望しました」といわれることに免疫を作っておきましょう。

経営者は馬鹿にされてなんぼです。失望されても仕方ありません。人間だもの

カッコいいスマートな状態でずーといようとすると、憧れを抱かれることは本当に負担になるので、その憧れの気持ちを受け止めすぎて自滅しないように気を付けてくださいね。

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