こんにちは。あなたの夢をかなえる目標達成コンサルタント!どっしり塾のこうめいです。
正直ちょっと驚いてるんですが、この職務基本規則を細かく見るシリーズ結構人気です。
そんなに人気ないだろうと思って書いてたんですが、今現在どっしりのブログでこのシリーズの記事が2番手くらいに閲覧数が多いということで、皆さん悩んでいたんだなと改めて感じてます。
たまにはこういう経営者に関係のあるものの条文を一緒に見ていくというのもいいのかもしれませんね。
ということで、前回は行政書士職務基本規則の26条までこちらで話をしました。まだ見ていない方はどうぞ
ということで今日からは第3章の依頼人との関係における規律を見ていこうと思います。
この規定も27条から49条とかなり多いので、何回かに分けてみてみたいと思います。それでは今日の分です!
(依頼者の意思の尊重)
第 27 条 行政書士は、委任の趣旨に関する依頼者の意思を尊重して職務を行わなければならない。
2 行政書士は、依頼者が疾病その他の事情のためその意思を十分に表明できないときは、適切な方法を講じて依頼者の意思の確認に努める。
(説明及び助言)
第 28 条 行政書士は、依頼の趣旨を実現するために、的確な法律判断に基づき、説明及び助言をしなければならない。
(依頼に応ずる義務)
第29条 行政書士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼を拒むことができない。
2 行政書士は、事件の受託にあたり、依頼者等が本人であることを、面談等の適切な方法により確認しなければならない。
(依頼の拒否)
第 30 条 行政書士は、正当な事由がある場合において依頼を拒むときは、その事由を説明しなければならない。この場合において依頼者から請求があるときは、その事由を記載した文書を交付しなければならない。
(不正の疑いがある事件)
第 31 条 行政書士は、依頼の趣旨が、目的、内容又は方法において不正の疑いがある場合には、事件の受任を拒否しなければならない。
(職務を行い得ない事件)
第 32 条 行政書士は、職務の公正を保ち得ない事由のある事件については、職務を行ってはならない。
(受任の趣旨の明確化)
第 33 条 行政書士は、依頼の趣旨に基づき、その内容及び範囲を明確にして事件を受任しなければならない。
(報酬)
第 34 条 行政書士は、事件の受任に際して、依頼者に対し、事件の難易、時間及び労力その他の事情に照らして、適正な報酬を明示し、かつ、十分に説明しなければならない。
2 行政書士は、不要な書類を作成し、又はみだりに報酬の増加を図る行為をしてはならない。
3 行政書士は、不当に廉価な報酬で事件を受任してはならない。
4 行政書士は、事件の受任に際して、社会通念上合理的な計算根拠をもって報酬を決定しなければならない。
(受任の内容の明確化)
第 35 条 行政書士は、事件を受託するにあたり、依頼者との間における信頼関係を保持するため、報酬等を明確に定めた契約書を取り交わす等、紛議が生じないように十分に配慮しなければならない。
ということでお客さんに対してどのようなことをしてはいけないのか?仕事を受けるうえでの心構えは?といったことが載っている章になりますね。
では早速細かく見てみましょう。
(依頼者の意思の尊重)
第 27 条 行政書士は、委任の趣旨に関する依頼者の意思を尊重して職務を行わなければならない。
2 行政書士は、依頼者が疾病その他の事情のためその意思を十分に表明できないときは、適切な方法を講じて依頼者の意思の確認に努める。
この規定は今までなかったんじゃないかな?当たり前のことなので書かれていなかった項目のような気がするんですが、やっぱりトラブル起こす人がいたんですかね。
私も遺言作成の相談に乗っていたことがあるのでよくわかりますが、依頼人(遺言を書いてくれるおじいちゃんなど)と相談に来た人(遺言を書いてほしいお子さんなど)の意志のすり合わせができていないことなんかは経験したことがあります。
そうなると相談に来たお子さんがお金を払ってくれても、遺言はあくまでも「相続人本人の意思表示」なので無理やりお子さんに都合のいいように遺言を書かせるわけにはいきませんよね?
正直、そういうことをやっている人もいると思いますよ。だって、自分に都合のいい書類を作ってくれる人にだったら莫大なお金払ってもいいです。という人もいますから。
でもそういう人に釣られて本来の依頼者の意志を無視して、自分たちに都合よく誘導するとかやっちゃダメですもんね。そうやって考えていくと、これは明確に書いておいてもいい条文だと思います。
(説明及び助言)
第 28 条 行政書士は、依頼の趣旨を実現するために、的確な法律判断に基づき、説明及び助言をしなければならない。
これまた当然するだろ。と思うような内容なんですが、結構依頼人にちゃんと説明しない人いるみたいですもんね。
今までであれば、言われたことやればいいんでしょ?結果さえ出せばいいんでしょ?という人多かったかもしれませんが、これからの時代はそういうやり方だと選ばれない行政書士になります。
いま一度しっかり依頼者が納得してくれるまで根気よく説明をする癖をつけましょう。
(依頼に応ずる義務)
第29条 行政書士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼を拒むことができない。
2 行政書士は、事件の受託にあたり、依頼者等が本人であることを、面談等の適切な方法により確認しなければならない。
行政書士法11条の応諾義務を改めて書いてます。倫理の12条にもありました。
個人的には応諾義務は「誰が作っても行政書士なら同じような届け出ができる」という昔の価値観から残っているような気がしていて、いまの時代にはそぐわない気も個人的にはしてますが……。
この正当な理由というのが結構曲者でして、私は信義則、カンタンにいうとお互い信用関係を気付けるか?で判断させてもらってました。
この依頼を受けることによって明らかに依頼者か行政書士が不幸になることがわかっているのであれば、それは依頼を受けてはいけない正当な理由だと思うんですよね。
ただ私の方から依頼を断るのではなく、初回の面談で依頼者の人とじっくり話し合えば、相手の方も「ここでは依頼しないほうがいいな」とわかってくれるのできちんと説明をすることが大事だと思います。
2項に関しては、本人確認をしっかりして!というものです。リアルでのお仕事だったら免許証とかすぐ確認できますが、オンラインでのお仕事だったりするとちょっと工夫が必要です。
後は免許書などの身分証明が偽造されていないか怪しいと思ったときは、透かしのチェックをしっかりできるような知識までは身につけておく方がいいですよ。試しに自分の身分証を裏から懐中電灯で照らしてみると……。
(依頼の拒否)
第 30 条 行政書士は、正当な事由がある場合において依頼を拒むときは、その事由を説明しなければならない。この場合において依頼者から請求があるときは、その事由を記載した文書を交付しなければならない。
こちらは仕事を断るときに求められたら自由を書いた文章を出してね。というルールです。
こちらも以前の倫理の13条にあった条文そのままですね。
私個人はこの書類を求められたことがないので、実は書いたことがないのですが、書式などの指定は特になかったと思います。
後々に応諾義務違反が問題になったときになぜ受けなかったかの理由をはっきりさせておきなさい。ということなのかなと思ってます。
(不正の疑いがある事件)
第 31 条 行政書士は、依頼の趣旨が、目的、内容又は方法において不正の疑いがある場合には、事件の受任を拒否しなければならない。
倫理の14条にあった条文ですね。
不正の疑いがあるものは拒否しなければならないという規定です。そりゃそうだ!なんですが、うっかり経験値が低い時は応諾義務で受けちゃう可能性もあるので気をつけましょう。
(職務を行い得ない事件)
第 32 条 行政書士は、職務の公正を保ち得ない事由のある事件については、職務を行ってはならない。
職務の公正ってなんぞや?と思ってちらほら確認したんですが、行政書士としての信頼を失墜するような事件の依頼に応じてはならないということのようです。
(受任の趣旨の明確化)
第 33 条 行政書士は、依頼の趣旨に基づき、その内容及び範囲を明確にして事件を受任しなければならない。
このトラブルよく耳にするね!!!というのがこの33条ですね。
依頼者さんの話をしっかり聞かず、この業務ならこうやってこうやってと勝手に全部進めてしまうタイプの行政書士さんがトラブルになりやすい事例です。
ひどい人だと、起業しようかどうかまだ悩んでいる人に対して「創業融資の書類と定款作成に必要な書類と…」みたいな感じで勝手に話を進めちゃう人もいたりします。
逆にしっかりと依頼もしてないのに、世間話のあと突然「前頼んだあの書類どうなった??」と現れる依頼した気になっている人とかもいるので「いつから、何を、いつまでに?」を明確にするのは本当にこれは意識して心掛けたいところです。
(報酬)
第 34 条 行政書士は、事件の受任に際して、依頼者に対し、事件の難易、時間及び労力その他の事情に照らして、適正な報酬を明示し、かつ、十分に説明しなければならない。
2 行政書士は、不要な書類を作成し、又はみだりに報酬の増加を図る行為をしてはならない。
3 行政書士は、不当に廉価な報酬で事件を受任してはならない。
4 行政書士は、事件の受任に際して、社会通念上合理的な計算根拠をもって報酬を決定しなければならない。
報酬の規定ができました。倫理の16条2項もこの条文の2項に入っています。
この規定で大事なのは3項ですね。ついに「不当廉価な報酬はやめなさい」と明記されました。
報酬が自由化されてみんなが自由に価格をつけるようになったことで、会社設立0円のようなとんでもない事務所が乱立したり、あるいは、新人行政書士が先輩から仕事を奪うためだけに破格の価格で商売をして、その地域のビジネスモデルを壊すだけ壊して廃業していく。なんて事例もありました。
元々不当に廉価な価格は、独占禁止法の不当廉価で禁止されているんですが、それでもそういうことをやる方が結構いてトラブルになっていたのでここはよかったんじゃないかなと思います。
正当なお金をしっかり説明して理解してもらって払ってもらう。というのがみんなが幸せになれる商売のコツですよ。
(受任の内容の明確化)
第 35 条 行政書士は、事件を受託するにあたり、依頼者との間における信頼関係を保持するため、報酬等を明確に定めた契約書を取り交わす等、紛議が生じないように十分に配慮しなければならない。
依頼を受けるときは契約書をちゃんとかわそうぜ!という条文です。
契約書かわさずに仕事してしまう行政書士さん現場には結構いますが、個人的には危ないと思っていて、相談されたらできるだけかわした方がいいんじゃない?と答えるように現役時代はしていました。
ちょっとしたすれ違いで大きな損害につながる仕事ですから、しっかり契約書を作ってかわす習慣をつけるのがベストですよ。
契約書まで行くとから苦しければ「職務説明書」みたいなのを作って、こんな感じで今回は仕事にはいらせていただきます。と、やっていくのも一つの手かもしれませんね。
ということで今日はここまで
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