こんにちは。あなたの夢をかなえる目標達成コンサルタント!どっしり塾のこうめいです。
行政書士と言ったら専業に決まってるだろ!!!というへんてこなこだわりがある人も中にはいますが、この多様化の時代。行政書士という仕事をメインに据えなければならない理由はありません。
特に若い行政書士さんなら「異業種でも働きながら視野を広げていく」というのは後々財産になります。実際私はこの時期にやっていた塾講師の経験が今の自分の大きな財産になってくれています。
ということで、今日は実際私が26歳から28歳まで行政書士兼副業塾講師としてやってきた経験から、よかったこと悪かったことをいくつかお話していきたいと思います。
1,収入の安定は精神の安定&長期成長目標が設定できる
まず開業時に副業をやっている一番のいいところは精神的な安定がえられることです。正直言うと開業したての行政書士は信頼度なんてありませんから、安定して稼げる人はあまりいません。
ただ、ネット上では必死に「自分はキラキラしてます」「必要とされてます」という意地を張らないと仕事が来ないですから、武士は食わねど高楊枝で頑張る姿を見せ続ける必要があるわけです。
で、これなんですがめちゃくちゃ精神を削ります。
特に行政書士の仕事は「単発完結」の仕事が多く、一人お客さんが来てくれたからと言ってそのお客さんが来月も仕事をくれるわけではありません。つまり、お小遣いやボーナスのようなお金の入り方をするので、最初の方はめちゃくちゃ不安になります。
もちろん慣れてきて信頼値も上がると「リピーター」をしてもらえるような仕組みづくりや、そういう毎月行政書士が必要なお客さんを抱えた業者さんとつながれるようになってくるので、生活はできるようになるわけですが、そこまでの過程がなかなかに精神的につらいわけですね。
で、この不安な時期に暴走して心を壊してしまう人や、耐えられないからと投げ出してしまう人が多いので行政書士は開業1年目の廃業率が高いわけです。
私は当時、毎月15万円程度でしたが塾の講師として収入があったので何とか一人で生きていくだけの収益は毎月入ってきていました。だから行政書士の仕事はボーナスといった感覚でしたので「単発」のお仕事でもありがたいなと思って焦らずにできました。
もちろん専業の行政書士が活躍している姿を見ると時々焦りはしましたよ。でも開業した時の自分は経営の経験もなく、行政書士の知識もほとんどなかったので焦れば焦るほど身を滅ぼす。そう思っていたのでそこはぐっと耐えました。
耐えたおかげで3年でしっかり一人前になるんだという目標を地道に目指すことができ、実際開業3年目には行政書士だけでもお仕事大丈夫だな。というレベルまでは自信をもって言えるレベルになれました。
こういう成長の仕方も私はありだと思ってます。
2,家族や周りが応援しやすい
私が副業行政書士からスタートした一番の理由は「家族の説得」という部分が大きかったんです。
私の家族は「借金などはしないこと」「自分の生活費をしっかり確保しておくこと」が独立の条件だったので、塾講師の副業で生活費を確保しながらの開業という条件で納得してもらえました。
結構家族からの反対で独立ができない人もいるんですが、家族が不安に感じているのは「収益がなくなった後どうするのか?」という不安です。
だから副業もやることによって多少なりとも安心感を持ってもらうという心遣いはあってもいいのかもしれません。
もちろん、「副業なんてやらずに1か月で成果だせ!!!」というパワフルな配偶者さんとかがいるご家庭もありますが、ごく少数ですからね。
3,副業をやっていると人脈&仕事のきっかけが増える
ところで私はそれを意図してなかったのですが、副業をやっていてよかったことの一つが「人脈が広がる」ことでした。
事実、私は塾で働いてましたが、そこで知り合った方たちから仕事になるならないは別としても、かなりの人数の人から相談を受ける経験をしました。
法律家というのは貴重な能力ですので、ほかの業界で知り合いが増えると相談がどんどん来るようになります。悩みを抱えていない人はほとんどいないので、人とさえ知り合えば何かしらの仕事の種は落ちているのが法律業の世界なんですね。
そこに気がつけるようになったのが結構大きな収穫でした。
もちろんそれを狙って副業をするような働き方はあまりよくないですが、実際どっしり塾でも副業をきっかけに仕事が大きく広がった生徒さんも何人かいます。
飲食店のバイトをしていて知り合った常連さんから仕事がもらえるようになったり、広報関係のバイトをしていて取材に入ったお店の社長さんと意気投合して仕事になったり。結構珍しい話ではないんです。
4,お客さんの目線を失わない
副業をしていると普段と違う価値観から行政書士の仕事を見ることができるチャンスが増えます。
行政書士で完全に法律家脳になってしまっていると、お客さんの思って入り悩みではなく法律をどう使うかということばかり考えてしまう人になってしまいがちです。
塾の先生で例えると、子供たちの様子も見ずに自分の知識を披露して「俺は賢い先生なんだぜ」とふんぞり返っている。そんなレベルの勘違い行政書士さんになってしまう人がいるんですが、ほかの業界にいると違う目線からの法律家の存在意義を教えてもらえます。
私が「行政書士だけど私はカウンセラーだと思ってる」という考え方にたどり着いたのは、塾の先生をしながら行政書士を見た時に圧倒的にヒアリングの力が弱い事務所が多いことが見えてきたから。そしてそれをお客さんが望んでいることがよく見えたからですね。
行政書士だけやっていたら、行政書士はこうあるべきだという考えに染まって私はこれに気が付かなかったと思ってます。
行政書士ではない自分がいたからこそ、冷静に行政書士の意義や私だからやらなければならないことというのが見えてきたので、行政書士ではない自分というのがいるというのは私の中ではすごくありがたいことでした。
5,時間のコントロールが身につく
開業したての行政書士が悩むポイントとして時間のコントロールがあります。気が付いたら時間がどんどん過ぎてしまって、なんもせずに終わってしまった。
そんな毎日を過ごすと精神的にも追い込まれて行きます。
でも、副業をしていると面白いもので、時間がないから時間を作り出そうと努力し始めるんですよね。そのおかげで時間の管理が上手になったり、無駄な時間をそぎ落とすことができるので、意外と大きな恩恵だったりします。
6,自分の自己犠牲の精神をコントロールできた
最後のメリットとして「自己犠牲型のギバー行政書士」だったからこその副業のメリットを始めて話そうと思います。
実は「ギバー」具体的にいうと「自分の利益よりも相手の利益を優先してしまういい人」タイプの人は、行政書士に専念すると精神を壊してしまう可能性が高いんです。
実は私も開業4年目以降は専業で行政書士をやっていたんですが、お金じゃないところで精神的にどんどん追い込まれて行きました。
というのも、「ギバー」は「自分が活動したことでだれから喜んでくれること」がエネルギーになる性格なので、行政書士の仕事をしていてもそのエネルギーを確保できないことがしばし起こります。
尽くしても感謝されないことにギバー型行政書士は不健全な状態に陥ります。
さらに行政書士は性悪説に立たなければならないので、お客さんであっても取引先の行政書士であってもある程度「この人は裏切るかも」と疑いながら接していくことも求められます。それを忘れると騙されて犯罪に巻き込まれてしまうんですよね。
だから、ギバーの人にとっては行政書士は結構つらい仕事です。
そこで私はあえてある時期から週数回だけ夜の時間を空けて、塾の先生の手伝いに行くようにしました。もちろんお金はほとんどもらえませんが、子供たちと塾で接することで私は心のエネルギー補給ができることに気が付いたからです。
これ、ギバーの研究でも書かれているんですが、ギバーは毎週2時間程度心のエネルギー補給ができる活動があれば心を健全に保っていけるといわれています。
私でいえば週1回塾に顔を出せば1種間頑張れるパワーをもらえたわけですから、対してお金がもらえなくても有効な時間の使い方でした。
もちろん、ボランティア活動や自分の事務所主催で地域貢献の何かをやるという手もあるんですが、そういうのまで手が回らない人は、あえてどこかの手伝いをして週数時間働くというのもいい手法なんです。
7,デメリットも当然ある
その一方でデメリットも当然あります。
例えば私は夜働いていたので、交流会に出ることができず人との縁を広げるのに苦労しました。東京にはランチ会などもあったので参加してましたが、やはり夜の交流会の方が人と出会える率は高いです。
その一方で、お昼のバイトをしていた行政書士友達は「役所への書類提出」の時間確保で苦労してました。このように、昼夜それぞれメリットデメリットがあるので、その辺りのカバーを考えることは必要になります。
後は私はならなかったんですが、私の知り合いの士業さんの中にはバイトのお金と事務所のお金を一緒の口座で管理していたので、自分が稼げているのかどうかすら把握できていない人もいました。これは確定申告でも大変なので、口座を必ず分けるようにしましょう。
後は人によっては、バイト代で生活ができるからと本業をおろそかにして行政書士としていつまでもレベルアップできない人もいます。ただこれは、覚悟と自覚の問題なのでその人個人の責任だと私は思ってます。
他にもデメリットがあるかもしれませんが、私は実は副業をした方がメリットが大きいと個人的には思っているくらいに肯定的な立場なので、ちょっと思い出せないんですよね。
後なんかあったかな~。
たまに変な専業こそが神だ!!という主義の行政書士にバカにされるくらいかな(笑)そんなのどうでもいいしね。
もちろん私は教育の世界が好きだったのでこういう結論にたどり着いたのであって、皆さんに塾のバイトがいいよと進めているわけではありません。もともと塾講師としてのスキルがあって、その業界が好きだったからこその体験談です。
ですが、副業行政書士というとなんか悪いもののように語られがちなんですが意外と悪くないんだと知っていただければ嬉しいなと思ってこの記事は書きました。
もし、専業か?兼業か?であなたが悩んでいるなら、昔の行政書士のOBがこんな体験したよということで参考にしていただければ嬉しいなと思います。
ということで今日はここまで。
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