こんにちは。信頼集客の伝道師。玄徳庵の阿部こうめいです。
さて、ご存知の方も多いかと思いますが、私は、玄徳庵を立ち上げる前は、行政書士の他に小・中学生の集団の学習塾で教壇に立っているプロ講師でした。
特に、どの講師も嫌がる(笑)反抗期真っただ中の中学2年生担当のプロフェショナルで、家でした生徒を捜し歩いたり、子供たちと大喧嘩したり(笑)いろんな経験を積んできて今の玄徳庵があります。
玄徳庵自体は、「大人の学び舎」として設立しましたので、子供たちと関わることはだいぶ減りましたが、その時の経験や、私が気が付いた体験談などをブログに書いて、残しておこうかなと思います。
塾の先生や、子供たちへの接し方で悩んでいるご両親などの参考にちょっとでもなれば幸いです^^
ということで、今日は宿題の話をしましょう
子供たちがなかなか宿題をやってくれません。叱っても叱っても、やってくれないのですが、どうしたらいいんでしょうか?
これね。私も塾の先生になりたてのころ、子供たちに宿題やって来いこら!!!と、脅しをかけてやらせていたんですが、残念ながら、宿題の提出率は上がりませんでした。
というのも、子供であれ、大人であれ、「動きたい」と思わせる欲求を抱かせなければ動いてなんかくれないのは基本中の基本なんですね。
ところがついつい私たち大人は、子供が自分より考えが浅いと思い込んで、強く上から押さえつければ行動するんだと思い込んでいる節があります。
いや、実は大人以上に子供の方が相手のことをじっと見てますし、相手の心を見抜くのが上手です。
だから、この大人は正直に接してくれている。
この大人はうそをついているというのを見抜くことが子供は得意なんです。
となると、宿題を出された子供たちが、まずは、その宿題を出している大人を信頼しているのか?というところに一番最初の壁があります。
私の場合は、怒鳴るだけで信頼されてなかったので最初は宿題をやってもらえなかったわけですね。
さて、そういう前提をまず踏まえたうえで、宿題ができない理由は、このどれかが原因です。
- 宿題をやりたいが能力の問題でやり方がわからない
- 宿題をやりたいが指示が不明確でやり方がわからない
- 宿題をやらないことで大人にかまってほしい
- 宿題をやっているのだがわからない問題でずーと考えてしまい終わらない
- 勉強する習慣がないのでどうやって勉強を始めればいいかわからない
- 周囲に気を使ってしまい、いつ勉強していいかわからない
- 宿題をやる意味が解らないのでできない
私が今思い出せるものでは、この7つかなと思いますが、比べてみてもらえるとわかるかと思いますが、「宿題を本気でやる気がない」子供ってほとんどいないんです。
やらなくっちゃいけないことは、誰よりも子供が分かっているので、親から、勉強やしなさいと言われると、「わかってるよ!!でもできないんだよ」という感情が爆発して、「うるさいな~!!」となるケースが多いようです。
先生側に問題がある2番のようなケースは、宿題の提出率は格段に落ちます。
これは先生のミスなんで、子供たちに責任はないんですが、まぁ、理不尽ですが、やらないと怒られちゃうのは子供がかわいそうです。ただ、結構やらかしちゃってるんですよね。先生って。
自分ではしっかり伝わっているつもりで伝わってないこといっぱいあります。
そういう時は、理解のある先生なら気が付いてくれますが、そうじゃないなら、とりあえず間違っていてもやっていくしかないというのが、かわいそうなところではあるんですけどね。
結構見落とされがちなのが、1と4番。大人からすると終わってないので、さぼっていると思われて怒られるんですが、本人は頑張ってやろうとしているわけです。
でも、要領がよくないので、いつまでも終わりません。
宿題を全然やらずに塾に来る生徒さんと、私が、急遽面談したとき衝撃的だったのは、「数学の問題1問に対しわかるまで1時間時間をかけている」という事実を聞いたとき。
そりゃあ、一生懸命やっていても宿題終わりません。
真面目だからこそ、そういう風になってしまっているケースもあるので、こういう時は、わからない問題は飛ばしていいんだよということを教えてあげないとだめなわけです。
3番は、愛情不足の家庭の場合はよくある問題で、宿題をやらないことで学校や塾の先生の注目を自分一人に集めようとする必死の子供なりのSOSですね。これも見抜いてあげられさえすれば、叱るだけでなく、しっかりやってきたときに褒めるようにすると解決することが多いです。
5・6番は、家庭での環境です。
子供が自分の意思で「さて、勉強するか!!」とは、なかなかならないのは、私たちも子供時代を経験しているので、わかりますよね(笑)
そんな時有効なのはルールを作ること。
但し、このルールですが、親が押し付けるルールでは意味がありませんので、子供たちに決めさせる必要があります。
ここでよく、1日30分勉強しなさいとかルールを決めようとするんですが、時間で決めるのはダメ。
何々の問題集を何ページから何ページまでこの日にやります!!
という具体的なページや量を決めると、子供たちもやるべきことがはっきりしますし、早く終わったらそれだけ早く遊んでいいわけですから、頑張って勉強をしてくれます。
時間だと、だらだら過ごして、何もしないで終わってしまうのでよくないのですよね~。
ページで決めておくと、子供が、妙に時間がかかっているときに、さっきの1番や2番・4番のような問題点が見えてきたりもします。
後は子供ががんばっているときに、大人は協力をしてあげること。
案外、子供の邪魔を大人がしていることがあるので、気を付けてあげてください(笑)
そして最後の7番は、お子さんが小学生高学年や中学生になると出てくる問題ですね。
なんで宿題やんなきゃダメなの?
という質問をしてくるんですが、私はこういうルールにしてました。
「君たちの授業をやるために、私は2時間以上かけて授業の準備をしてるのね。そのうえで、授業やるよ、といったときに、約束していた宿題をやってきてもらえなかったらどんな気持ちになる?私は、がっかりするよね。宿題は、君たちが私の授業を受けるうえでの私と君たちの約束なんだよ。君たちが宿題をやってくると言っているから、私も頑張って授業の準備をしてきたのに、君たちが約束を守ってないということは、私も授業をやらなくていいのかな?約束ってそういうことじゃない?」
と聞くと、子供たちは、なるほど。阿部先生の授業を受けるには宿題をやってこないとだめなんだ。と思うので、宿題をやってきてくれるようになります。
塾の先生だからできた約束事ですが、宿題の価値を延々と説明するよりも、「人と人との約束なんだ」ということをしっかり伝えると、子供たちは理解してくれると思います。
一番よくないのは、いい高校に行くためとか、いい就職先で働くためとか、子供がイメージできない未来の話を一生懸命すること。
これは大人には見えていても、子供には全く見えない未来なので、それよりも、今目の前のこととして、「約束だからやって」という形が分かりやすいんじゃないかなと私は思ってました。
その分、塾の先生として、私は、誰よりも面白い授業をやらないと、阿部先生の授業つまんないから宿題やらなくっていいや。といわれたらやばいので、プレッシャーはきつかったですがね(笑)
家庭であれば、「お父さんやお母さんはお仕事に行って、お金をもらってご飯を食べれているんだ。君たちも本当は仕事にいかなくちゃご飯食べられないのに、なんで仕事にいかなくっていいかというと、今は勉強というお仕事をしているからなんだよ。ということは、宿題をさぼるということは、お父さんやお母さんがお仕事をさぼるのと一緒なんだけど、それでお給料ってもらえると思う?」
といった形で聞くのもありなのかなと思います。
ということで、実は宿題ができない問題というのは、子供に原因があるというよりも大人に原因があることが多いんです。両親だけでなく学校や塾の先生も含めてです。
だからこそ、勉強しないと怒るよりも、何で勉強しないのかを見つめてあげてもらえるとうれしいなと思います。
本当は、私からするとそのあたりは、プロである先生がやるべきなんですがね~。正直学校だと難しいところがあるのも事実。私も塾だからできたところがありますし。難しい問題でもあります。
ただ、やらねばならんことはやらねばならん。
というのは、生きていくうえで子供に伝えていかなければならないことなんで、変に甘やかす方向にいかないようにだけ気を付けてくださいね。
玄徳庵 阿部こうめい